日本一元気なスーパー、ヤオコーの川野会長のご講演を
法政大学イノベーションマネジメント研究科の授業で聞きました。
埼玉の田舎である比企郡小川町創業のヤオコー。
そしてもう1社、埼玉を代表する企業である、衣料品のしまむらも小川町で同時期に創業されています。
2社の創業の地は500メートルとのことです。
現在3500社ある上場企業の内、20年以上に渡り増収増益を果たしているのは4社のみです。
その4社の中でヤオコーは2位だそうです。
川野会長が、お母様のトモさんが経営していたヤオコーの経営に参加した当時は
2店舗、2億円の売り上げだったそうです。
現在、連結売上高4100億円を超え、20年以上増収増益を果たせるその理由は何なのでしょうか。
川野会長が挙げられていた理由は2つ有りました。
①志の高い企業理念がバックボーンとして組織に浸透している事。
②商いのコンセプトがシンプルで明快である事。
①は変わってはいけない物、
②は変わっていくべき物であり、
①は創業者であるお母様(トモさん)の情熱と信念から生まれた理念であり、
②はバブル崩壊後の生鮮スーパーの業績悪化の際に第1次3カ年計画にて、
川野会長始め社内で決めたコンセプト(今もブラッシュアップし続け、来年から第9次に入ります)であります。
そんなヤオコーは同族承継にて、5代目まで円滑で持続的な代替わりを果たしています。
ファミリービジネス、同族企業は日本では何となくあまり良いイメージを持たれませんが、
欧州では、ファミリービジネスの企業はとても信頼され尊敬されます。
それは、創業者の理念が創業家や同族であるからこそ真の意味で共有され、またその理念を目先の損得や短期的な経営で捻じ曲げずに守れるからだと言われています。
子供の頃から身近に経営を見る環境の中で育つ。
川野会長は、5代目の社長の代替わりが上手く果たせている要因に、「母親」というキーワードを挙げられていました。
会長にとっての母親、そして現社長の母、つまり会長の奥様が、それぞれの代の社長を作り上げたと仰っていました。
又、お母様のトモさんはヤオコーと結婚した、常に情熱を持って経営し、ヤオコーの発展が何よりの喜びだった。
川野会長は、ヤオコーが発展する姿を見て喜ぶ母を見る事が励みだったと、仰っていらっしゃいました。
お母様、社員の皆さんへの深い愛情を感じました。
「愛情深い巨人」そんな印象を受けました。
ヤオコー美術館や奨学金の運用など、素晴らしい社会貢献活動の数々に、改めて尊敬の思いで一杯になりました。
企業は、誰のものか。何度も問いかけられていらっしゃいました。
欧米式の、株主優先ではない日本式経営の素晴らしい企業理念、経営スタイルに多くの学びを得ました。
いつでも連絡下さい!と、お声がけをいただきました。
大変光栄です。
ありがとうございました。